本命レースで結果を出したい「装備品」とは?走った努力を最大化する方法はないのか?
導入
「気合で完走できるのか?」
「準備は大丈夫か?」
多くのランナーが陥る「準備は万全なのか?」という疑問。
これは初めてサブ3を達成してから、14年以上連続して毎年サブ3を達成しているアラウンド50(アラフィフランナー)のフルマラソンの経験をもとに、レース当日の装備品と携行品をご紹介します。
- 私がこれまで数多くのアイテムを実際に使い、試行錯誤してたどり着いたアイテムのなかから
- 頑張ったトレーニングの成果を本番で発揮してくれたアイテム
- 使わなくなったというアイテム
これらを正直に紹介します。
レースは「情報戦」であり、「装備戦」だ。
私がたどり着いた「最強の布陣(アイテム)」を全て公開します。
孫子曰はく、彼を知り己を知れば百戦殆からず
サブ3・サブ4を目標とするランナーの方に1つだけでもいいので一度はレースで試していただき、自己ベストの更新につなげてください。そして、周りの人にもおすすめしてください。
第1章:【足元】地面と戦う唯一の接点
疑問:「マメや爪のトラブルは運なのか?」
解決策:運ではない。選び方で防げる物理現象だ。
1. 話題の「カーボンシューズ」は市民ランナーにも必要なのか?
NIKEのヴェイパーフライの登場以降、このカーボンプレート搭載のランニングシューズ以外にマラソンでの結果を求めるのは、酷な話だと言わざるを得ません。
特に、歳を重ねるごと、出場レースを思い返すたびに、この靴を履いていなかったらサブ3は達成できなかったと心底感じます。
断言します。2026年現在、レースにおいてカーボン搭載のシューズに敵う靴を知りません。
実際に使ってみて感じるメリットは以下の3点です。
①靴の推進力を強く感じる
正直これが一番のメリットです。前に進んでいく推進力がある。
普段、ノンカーボンのシューズで練習している方ほど、その恩恵を強く感じるはずです。驚くほど「勝手に」足が前に出る感覚があります。
例えるなら、軽い下り斜面を走っている感じです。とにかく軽い力で進んでいきます。普段の練習で流して走っているとき(全力の70〜80%程度の力)の感覚で、1kmあたりのペースが15秒〜20秒ほど自然に上がる感覚です。
レース参加によるアドレナリンの影響もありますが、努力感はそのままに、スピードだけが上乗せされる感覚です。
②力を抜いて「巡航」している時でも、スピードが落ちにくい
私の普段のレースプランは以下の通りです。
- 序盤~中盤(30km地点まで):できるだけ脚力を温存。
- 30kmの中盤から:温存していた脚力を解放(スパート)する。
- 終盤(35km~):脚力と限界まで呼吸機能を使い切る。
- 40kmから:すべてを注ぎ込み、全力を出し切ってゴールする。
カーボンシューズは、平地で一定の速度で走るとき、脚力を使わなくても速度の維持(巡航)をサポートしてくれます。
これは、脚力の温存に非常に有用です。
無駄なエネルギー消費を少しであっても減らすことができていると断言できます。
③翌日の「脚のダメージ」が段違いに少ない
本来、フルマラソン翌日は階段も降りられないほどの筋肉痛に襲われますが、カーボンシューズを使用するようになってからは、脚への疲労が大きく軽減しました。
レース翌日は内臓疲労や激しい呼吸による胸の重苦しさは残るものの、筋肉のダメージはレース後2日以上経過した後のような軽さで翌日を迎える感覚です。
それによりレース翌日であっても、心肺への負担を抑えた軽いジョギングであればトレーニングできます。
これは積極的休養(アクティブレスト)と言い、ジョギングをすることで血流を促進し、筋肉疲労を軽減することができます。
2. 靴下(ソックス)に気を使う必要はあるのか?
滑り止めのついた靴下、5本指の靴下、アーチ補正のついた靴下などいくつかの種類があります。
レースの時に私が使用するのは5本指のソックスです。
理由はこれを使うようになってから、足の爪(足指の爪)が割れなくなったからです。
普段の練習で履くのは稀ですが、レースの時は必ず履いています。
指先が一本ずつ独立することで、シューズの中で足が遊ばず、しっかりと地面を掴む(グリップする)感覚があり、力が逃げません。また靴との一体感が出ます。
精神的な安心感も、過酷なレースでは大きな武器になります。
逆に、滑り止めのついた靴下を使うことは止めました。
以前、「足底筋膜炎」(足裏の激痛に苦しんだ時期)に履いていたのがこのタイプでした。
靴の中で足が適度に滑ることで足裏への負荷が軽減されていたのではないかと考え、使用をやめてから半年ほどで痛みが消え、以降は一度も痛みを感じたことはありません。
アーチ補正のある靴下は、足底に疲れを感じているとき(足裏を押したときに張りや痛みを感じるとき)には非常に有用です。
3. 絆創膏(意外と知らない必須アイテム)
地味ですが絶対に忘れてはいけないのが絆創膏です。
①靴擦れ防止
足のかかと部分や、親指など、靴擦れが起きそうなところに予め貼っておきます。
②乳首擦れの防止(男性は必須!)
これは男性なら本当によく起きる悲劇です。軽く見ないで欲しい。
擦れて出血するとかなりの痛みがあり、汗が沁みて走りに集中できません。何より、レース後の風呂が地獄になります。
薬のついている値段の高い絆創膏など必要ありません。普通のものを乳首に貼っておくだけで、レース後の風呂がかなり快適になりますよ。
第2章:足が終盤で攣ってしまう。上半身のこわばりを感じる。
4. ゲーター(カーフスリーブ):足攣りリスクを激減させる「第2の筋肉」
脚が攣った瞬間にレースは終了する。
私は普段、就寝中に突然脚がピキッときて目が覚めるほど「攣りやすい体質」ですが、このゲーターを使用することで、レース中に完全に脚を止めたことは一度もありません。
「あ、攣りそうだな」という予兆(ピクつき)がきても、そこから本格的に攣って動けなくなる事態を防ぎ、なんとかゴールまで筋肉を繋ぎ止めてくれます。
5. アームスリーブは必要なのか?
アームスリーブが「飾り」ではない4つの理由:
- 風の影響を直接受けないため: 体温の急激な低下を防ぎます。
- 汗冷え防止: 汗が風に当たって体温を奪うのを防ぎ、水分を温存します。
- 補給食の携行に: 摂取後のベタつくゴミを袖口に挟んでおけば、次の給水所でスマートに捨てられます。
- 日焼け対策: 翌日の仕事に「真っ赤な顔」や「倦怠感」を持ち込まないことは、社会人ランナーの重要なリスク管理です。他人がどう思っているかはコントロールできませんが、自分のコンディションは守れます。
第3章:【管制】脳の疲労とペースを管理する
6. サングラス:紫外線は目から入る疲労毒。
サングラスをかける理由は、目そのものを守るため、そして紫外線による脳へのストレスと全身の疲労感を防ぐためです。
また、レース後半まで紫外線をカットし薄暗い状態で進め、終盤でサングラスを外すと、脳が強い光に反応して覚醒します。このエネルギー切れの土壇場で「光の力」を気力に変えるのが私の裏技です。
7. GPSウォッチ:焦るメンタルを沈静化させる。
GPSウォッチの役割は、レースのナビゲーターです。
「スタートしてからどれくらい経ったのか?」「現在のペース(キロ何分)は?」
脚に疲労が蓄積し、前に進まなくなったとき、残り距離を知ることで勇気が出ます。
主観的な「きつさ」に惑わされず、客観的なデータで自分をコントロールできます。
GPSウォッチを付けて、計画的なレースを展開しましょう。
第4章:【燃料】補給食は必要なのか?
8. エナジージェル:『空腹前』の摂取が鉄則。
私は胃腸への負担を考え、あえて数を絞って「2個+アミノ酸1個」にしています。
補給食に関しては21km地点と、ラストスパートへの起爆剤として40km地点で摂取します。
ただし、胃の状況を見て、無理に使わない選択という柔軟さも必要です。
いくつかの種類を試した結果これが今の一押しです。
中でもコーヒーが一押しですが、カフェイン入ってるので万人向けではありません。
ただ、ジェル特有の飲んだ瞬間のねっとりと口の中にまとわりつく感じがなくて飲み易いです。
9. アミノ酸(BCAA):ゴールの底力
おすすめは「VESPA」です。35km地点近くの給水所で水と一緒に流し込むと、1〜2km進んだ頃に粘り強さが引き出されます。
ゴール後は、回復のために「MUSASHI NI」を直飲み(ダイレクトイン)します。不純物のない水で飲むことで吸収を早めます。
10. 下痢止め薬
「お腹の不安」を消しておくことで、走りに100%集中できます。保険としてレース直前に飲むことで、安心感に繋がります。
まとめ:完走への「執念」を見せつけろ
- 装備への課金は「弱さ」ではない。完走への「執念」だ。
- オリンピック選手だって、違反でないアイテムは積極的に取り入れます。これはルールに基づいた正当な戦略です。
万全の準備をし、レースに臨んでください。
気象予報・コースレイアウトなどを知らずにスタートラインに立つことは、レースに対する冒涜です。
事前の万全な準備こそが、落ち着いた気持ちでスタートラインに立つための最大の鍵です。前日までの予報と違っても、準備があれば慌てずに対応できます。
紹介したアイテムを手荷物に詰め込み、いざ決戦の地へ。
悔いの残らない最高のレースと最高の1日を送ってください。
