最終目標 坂道インターバルで負荷をかける
獲得目標 スピードをさせていく脚筋力を養う
プレ仕上げ期では、週1回の坂道インターバルとでじわじわと筋肉に負荷をかけ、さらなるスピードアップに対応できるように脚筋力を養います。
ここまでの走り込み期によってできた脚をここから更に、向上させていくこと。
ここからがまさに記録を伸ばすためのマラソン・トレーニングの本番になります。
STEP 1 坂道インターバルで負荷をかける
より速く走るためには、ある程度のスピードを持続させる能力が必要です。
それがスピード持久力と、それを支える筋持久力です。
これを獲得するトレーニング方法が、インターバル・トレーニングです。
しかし、スピードレベルも筋力レベルも低い初心者のランナーの場合は、いきなりスピードアップしたトレーニングに適応するのは効率が悪いです。
ある程度の距離が走れるようになってから、スピードを伸ばしていくほうが、マラソンの記録を伸ばしやすいのです。
そこで、まずは坂道を使ったトレーニングに取り組みます。
100~300m程度の手頃な坂道を駆け上がり、jogで下ります。
その『追い込み度』を自分なりの感覚で決めて段階を追って行うと、うまくできます。
最近のランニングウォッチの機能で速度や時間などの数字を基に取り組んでいくと、基準を作りやすいです。
週に1回実施し、3回(=3週間)程度実施すれば十分ですが、トレーニングの流れに余裕のあるときなどに、少しでも取り組むとより効果的です。
弱めの追い込み度・少なめの本数から開始し、段々と負荷を高めていきましょう。
トレーニング不足だと…脚がもたないです。
筋持久力を鍛えてあると…スピードが落ちません。
これら筋持久力が不足していると、ペース(スピード)の持続ができなくなり、タイムが伸びません。
坂道インターバルのペース設定
坂道トレーニングのペース設定は、坂道の傾斜によってそれぞれ負荷が違ってくるので、強度を一概に示すことができません。
そこで、自分の感覚で強度の区別をしていきます。
まずは、自分で選んだ坂を疾走して登ってみてください。
何本か自分なりの強度を変えて走ってみると、最初は普通だと思っていたのが、実は結構ペースが速くて、『それ以上あげられない。』ということはよくあります。
どれだけペースコントロールをする力を身につけていけるかがポイントです。
まずは『楽』~『普通』くらいで、何本かを余裕で走れるようになることが坂道インターバルの入り口です。
そこから、徐々にスピードと本数を少しづつ増やしていきます。
自分感覚で5段階を決める。
- かなりキビシイ
- キツイ
- 普通
- 楽
- 余裕
5段階程度の違いをコントロールしながら走ることができるように試してみよう。
初めのうちは『楽』『普通』『キツイ』の3段階のレベル分けができれば十分です。
坂道インターバルのステップアップ例
- 追い込み強度(弱)✕ 5~10本
- 追い込み強度(弱)✕10~15本
- 追い込み強度(中)✕ 5~10本
- 追い込み強度(強)✕ 7本
追い込み度の目安については、時間設定を設けると客観的でわかりやすいです。
普段のトレーニングに比べて、意識的にストライドを大きくする。
どのステップでも終盤にバテたり、ダレることがないように最後まで集中する。
STEP1 坂道インターバルで負荷をかける メニュー編
実践
- 『3回のポイント練習+2回のつなぎの練習+2回の休養』で1週間のメニューを組みます。
- 『ポイント練習』は坂道インターバルとロング走とLSD、『つなぎの練習は』はjogです。
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
練習 | つなぎ | ポイント | つなぎ | ポイント | ポイント | ||
メニュー | 休養 | jog | 坂道インターバル | 休養 | jog | ロング走 | LSD |
時間(分) | 60分 | 60分 | 30km ~40km |
120~ 180分 |
坂道インターバル
手頃な坂『100~300m程度』を使い、リラックスして取り組む
注意点は以下の3点
- 1本あたりのペースはほぼイーブンで!
終盤につれて失速しないように加減する。 - 本数を目標よりも大幅に減少させないと消化できないほど、1本あたりのペースを速くしすぎないこと。
トレーニングを積んでいくと徐々になれてきますので、自然と速度が上がっていきます。 - あと1~2本以上は十分にできそうな余裕を残して練習終えること。
目標は1日7本!!!
ロング走は30~40㎞を反復しながら、段階的にペース水準を上げていきます。
坂道インターバルの導入により筋疲労が増大し、ロング走に影響を及ぼすことはありますが、『多少は後戻りしたりすることがあっても構わない』と気楽な気持ちで取り組みます。
レースに参加する場合
質の高いミドル走やロング走の代わりとします。
⇛土曜日にLSDはやロング走を行い、翌日に5~10㎞のレースに出場して脚に強い負荷をかける方法(セット練習)もあります。
ただし、翌週の水曜日のポイント練習に影響が出ないように気をつける。
セット練習とは ロング走+レース
30~40㎞のロング走を走った翌日に、ショート(5㎞や10㎞)のレースに参加します。少し抑えてタイムは気にせず出場しましょう。
メニューアレンジ
- LSDは疲労度に応じ、60分jogへ変更してもよい。
- ロング走が優先項目なので、週末のポイント練習に影響が出てしまいそうなときは坂道インターバルの本数・強度を落とす。
※あくまでもロング走の余裕がある方向けですので、余裕があれば挑戦してみましょう。
ステップアップ 判断
2~3週、坂道インターバルを行ったら
レースまで残り期間が3~6週となり、トレーニングが順調にこなせている方は正直申し上げて、かなりの変態さんです。
ここから、仕上げ、調整に多くの期間をかけるようにします。
坂道インターバルを2~3週行ったところで、次に進みましょう。
次のステップの目的は、トレーニングではなく、疲労を抜くことを求めていきます。