ランニング

効率的な走りを身につける動きづくりのエクササイズ

理想のフォームがわかったら、その動きを自分の身体に覚え込ませていきましょう。ここでは、動きづくりに有効な3種のドリルを紹介します。定期的に実施することで、バランスの良いフォームが身について来るはずです。トレーニング前のウォーミングアップとして、あるいは、トレーニングの一環として取り組んでください。

ドリル1 スキップ
まず、ひとつ目の動きは、スキップです。股関節の動きを意識し、着地した足を後ろに蹴り上げずに素早く前方へ持っていくという効率のよい足運びをマスターするのに有効な方法です。
また、身体の軸をしっかりとつくって行うことで、バランスの良い走りを身につけることに繋がります。
子どものスキップのように「タタン、タタン、タタン」とリズミカルに行いましょう。最初はゆっくりと、大きな動作でスキップします。
また、坂道などの傾斜で行えば、平地よりも大きな負荷がかかります。股関節の可動域を広げるとともに、筋力アップにも効果的なトレーニングです。

平地
引きあげたほうの膝にリードされて、腰が前に出て行くようなイメージで重心を前に傾けます。腰の位置が落ちないように注意しながら、軸足でしっかり支えます。

傾斜面
足首で地面を蹴ってあがるのではなく、膝から持ち上げて股関節を広げることでスライドを大きくしていく。着地のとき、足を地面に打ち付けないようにすること。言い換えると、着地音をできるだけ小さくするように心がけます。

ドリル2 腿上げ(もも上げ)
次の動きは、もも上げです。「タッ、タッ、タッ、タッ」という一定のリズムで、膝を高くあげてリズミカルに左右交互に足を入れ替えて進みます。走りに重要な腸腰筋を鍛えるのに、もっとも効果的です。
実施すると距離と本数は、ここの筋力レベルに応じて決めます。「30m、2~3本」から始め、少しづつ距離を伸ばしていくことが基本です。50~60m程度まで距離を伸ばし、それでももの足りなくなったら坂道を使って負荷を上げていきます。
目的の筋肉が使われていることを意識し、「効いている」「少しキツイ」と感じるくらいがちょうどよい負荷です。
ー左右の足を素早く入れ替えるのがポイント。ももは地面と水平になるぐらいの高さまであげれば十分。高く上げ過ぎて腰が落ちないように注意しましょう。ー

ドリル3 ウィンドスプリント
ドリル1で「スキップ」とドリル2で「もも上げ」でそれぞれ鍛えた動きを、実際の走りで実践していくために有効な方法です。
これは、いわば「ゆるめのダッシュ」といわれる走り方で、短めの距離を、気持ちのいいスピードで走ります。最初は「60m・2~3本」から始めて、100m程度まで距離を伸ばしていきます。大きなストライドを意識することが、最大のポイントです。
ウィンドスプリントは、トレーニングを開始したあとも、スピード刺激を与えたいときやスピード練習の前のウォーミングアップとして様々な目的で使われます。しっかりと覚えていきましょう。
ーひざのリードで、股関節が開くという基本の動きは常に意識しよう。腰が落ちるとストライドが伸びないので、腰の位置は高いところでキープして、リズミカルに走る。ー