ランニング

ロング走

マラソン・トレーニングの核である、スピード持久力を高める

ロング走は、ある程度の強度(ペース)を保ちながら、一定の距離を走り通す「持久走」トレーニングのひとつです。
強度の低さを強く意識したLSDとは一線を画し、LSDで基礎的な持久力の基盤ができた次の段階として、マラソン的なスピードを維持する能力を高めるために取り組みます。マラソン・トレーニングの核はこの能力を高めることにあるといっても過言ではありません。
また、ひと口にロング走といっても、いきなり長い距離を走るわけではありません。きちんと段階を踏んだ練習方法をとります。ロング走の目的は余裕を持って、現状より長く・速いペースで走れるようになることです。
まずは、かなり余裕のあるペースで距離を伸ばしていき、十分な距離を踏めるようになってきたら、少しづつペースを引きあげていきます。これを中長期にわたって反復します。決して、一生懸命頑張って距離を伸ばすものではなく、また、速いペースを設定して、底に向かってチャレンジするトレーニングではありません。

段階的に余裕をを拡大し、ペース水準をあげていく

ロング走のトレーニングは腹八分目にとどめるという意識を持って取り組む必要があります。十分に余裕をもてるペースで、途中、失速することなく最後まで走り終えることが大切です。速ければ速いほどよいわけではなく、適度な余裕が保てるペースで繰り返し実施することが重要です。
走り込みの初期段階でロング走は、距離は短めに、ペースは遅めに設定して、段階を追って徐々にステップアップしていきます。
その結果、十分な余裕を持って走れるペースがLSDと変わらないようであれば、LSDのペース設定の方が速過ぎたと考えられます。
ペースの目安としては、目標のレースペースの80~90%くらいで、30~40㎞の距離を無理なく走れるようになることを目指します。

進め方とステップアップ例

進め方
①まず、15㎞くらいまでの距離をゆっくりのペースで始め、5㎞刻みで距離を伸ばしていく(「速いLSD」の感覚でOK)
② ①を繰り返し25~30㎞に到達したら少しづつペースもアップする。
③30~40㎞に到達したら、反復してながら、ペースをあげていく。

ステップアップ例
距離 15~20㎞ 1㎞あたり

距離 1㎞あたり
15~20㎞ 6分00秒
20~25㎞ 6分00秒
25~30㎞ 6分00秒
25~30㎞ 5分30秒

※表のように距離と速度は同時にステップアップさせずに段階的に引きあげていく。

ペースアップを重視するパターン 余裕度を拡大するパターン
25~30㎞ ⇨ 1㎞あたり 5分00秒 35~40㎞ 1㎞あたり 5分30秒
到達点 到達点
30㎞ 1㎞あたり4分30秒 35~40km 1㎞あたり5分00秒

頑張らないことが大切
無理にペースを引きあげたトレーニングを続けても、それはハーフマラソンの練習にはなりますが、マラソンの終盤を持ちこたえるだけの持続力を高める練習にはなりません。
ところが、余裕をもってロング走を反復していくと、長く・速く走っただけ、その余裕度が拡大していきます。このことが持続力の向上(=トレーニング効果)を意味することです。
年齢などの個人差があります。着実に向上していきますので、無茶をして故障したり、筋肉痛などで動けなくなったのでは、トレーニングを中断せざるをえなくなります。
もう少しだけできそうという一歩手前で練習を切り上げて、休憩することも練習のうちだと心得てください。

練習のポイント

ポイント①
●十分な時間のLSDSが消化でき、1㎞あたり6分30秒程度のjogで15㎞走ることが
「余裕」「物足りない」と感じるようになったら、ロング走に取り組み始めます。

ポイント②
●15㎞から5㎞づつ伸ばして、最終到達目標は40㎞の反復。ただし、余裕のあるペースでじっくりと

ポイント③
●ぺーすを保つことに一生懸命ではなく、終盤になって自然にあがりそうな自分を抑えるくらいが、ちょうどいいペース

ポイント④
●実施距離の③分の2くらいまでは余裕で当たり前です。半分でキツイと感じるならば、ペースを落として練習しましょう。

ポイント⑤
●ラスト⑤㎞も、楽に走れるようならば、次の段階へと進みましょう。

ポイント⑥
●他の練習も組み合わせながらレースの3週間前くらいまで続ける。

反復しながらステップアップしていくことが重要です。一度はしれたからOKではありません。
少し物足りないと感じるくらいの余裕を持ってステップアップしていきましょう。